受講者が受け身にならず、主体的になれる工夫②!~オンライン研修特有の進め方!~

研修時に、受講者の集中力が下がってしまう・・・

その要因の1つに、講師の講義が一方通行になり、受講生が受け身になってしまうことがあげられます。

特に、オンライン研修の場合、その傾向がより強くなってしまいます。

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そこで、今回は

「受講者が受け身にならず、主体的になれる工夫②!~オンライン研修特有の進め方!~」

についてご紹介します。

 

講師は、このことを理解しておくことで、受講者に与える影響が大きく変わることでしょう。

集中力と学習効果を高める「90/20/8の法則」とは?

受講者の集中力と学習効果を高めるために役立つ考えがあります。

それは、ボブ・パイク氏が提唱する「90/20/8の法則」というものです。

 

概要は以下の通りになります。

●人が「集中」をキープしながら話を聞ける時間

 →90分

 

●人が「記憶」を保持しながら話を聞ける時間

 →20分

 

●人が「受け身」の状態で興味をもって 話を聞ける時間

 → 8分

※中村文子、ボブ・パイク著『オンライン研修ハンドブック』(日本能率協会マネジメントセンター)を参考にしました
※中村文子、ボブ・パイク著『オンライン研修ハンドブック』(日本能率協会マネジメントセンター)を参考にしました

そのため、以下の様な工夫が考えられます。

・90分以内に休憩を入れる。

・20分以内に大きな変化(振返りや復習)を入れる。

・8分以内に小さな変化を入れる。

・オンラインではこれを短くする。

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*詳しくは、以下のブログをご参照ください。

集中力と学習効果を高める研修内容と時間配分の工夫!~「90/20/8の法則」の活用~

 

90分以内に休憩を入れ、20分以内に振返りや復習を入れるは、講師として対応しやすい。

そして、8分以内に小さな変化を入れることについては、以下のブログで紹介しています。

ご興味があればご参照ください。

受講者が受け身にならず、主体的になれる工夫!①~集中力と学習効果を高めるために!~

 

この事は、主に対面であるリアル研修を前提としてお伝えしました。

では、オンライン研修の時に、どうしたらいいでしょうか?

「受け身」とは、講師から一方的に情報提供し続けている状態!

8分とは、人が「受け身」の状態で興味を持って話を聞ける時間のことです。

オンライン研修の場合は、リアル研修の3/4~1/2ぐらいが目安になります。

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そして、講師と受講者とのコミュニケーションを分解すると以下の様になります。

①講師→受講者

②受講者→講師

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オンライン研修では、講師からの一方的な情報提供は4~6分以内に!

まず「①講師→受講者」について考えてみましょう。

このケースの多くは、いわゆる講師の講義に当たるでしょう。

つまり、受講者にとっては「受け身」の状態となります。

 

そこで注意すべきことは、以下のことです。

"リアル研修と同様に、一方的に講師から話をする時間を適切なものにする。"

オンライン研修の際は、受講者が「受け身」の状態で興味をもって話を聞ける4~6分以内にするということです。

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受講者が主体的になれる機会をつくる!

次に「②受講者→講師」について考えてみましょう。

ここで、以下の様な機会を設けるとよいでしょう。

・受講者が主体的になれる

・受講者が発信・発言する

・受講者が実施・行動する

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基本的には、リアル研修と同様な考えになります。
*詳しくは、以下のブログをご参照ください。
「受講者が受け身にならず、主体的になれる工夫!①~集中力と学習効果を高めるために!~」
 

 

しかし、オンライン研修には、オンライン特有の機能があります。

例えば、以下のものです。

・リアクション

・投票

・チャット

・マイク&カメラ

・ブレイクアウトルーム

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また、オンライン特有の、受講者の心理状態もあります。

それは、どの様なものでしょうか?

多くの受講者はカメラとマイクを「OFF」に・・・

私たちは、オンライン研修をする際、以下の様なことを行いました。

それは、受講者に対して、以下の様な選択肢をゆだね、好きな方を利用してもらうというものです。

具体的には、

カメラの「ON」と「OFF」をお好きな様に!

質問時に「マイクで話す」と「チャットに入力する」をお好きな様に!

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このオンライン研修は、オープン研修で、不特定多数の人が集まるものでした。

その際、どの様なことが起きたでしょうか?

 

なんと、ほとんどの受講者がカメラを「OFF」にし、質問は「チャットに入力する」を選びました。

では、なぜ、その様なことが起きたのでしょうか?

オンライン研修の受講者は気楽に受けたい!

そこで、私たちは、実際に受講者に、その理由を聞いてみました。

▼カメラをOFFにした理由

「気楽に、ゆったり、受けたかった」

「講義に集中できないため」

「カメラうつりが悪いから(笑)」

「気を張らずに受けるため(ノーメイク!)」

「ボンヤリしていると格好悪いから」

等など

 

大抵の場合は「気楽に受けたい!」という思いがある。

逆に、「カメラをON」にすると、以下の様な心理的な抵抗感があると思われます。

・見られている、監視されている気がする

・恥ずかしい

・落ち着かない

・疲れる

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▼質問は「チャットに入力する」にした理由

「まとまった状態でチャットで質問をしたい」

「せっかくチャットがあるから」

「名のりたくない」

「タイミングが難しい」

「流れを遮ってしまう、中断させてしまうという心配がある」

等など

 

大抵の場合は「チャットはラク・便利!」という思いがある。

逆に、「マイクで話す」と、以下の様な心理的な抵抗感があると思われます。

・場、他者の雰囲気がわからず、タイミングが難しい・・

・周りに人がいるため話しづらい

・周りがうるさく、声や音が入る

・恥ずかしい

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受講者の心理的な抵抗感があるなら、無理にこれらを強制させるのは、あまり得策ではないと考えられます。

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カメラとマイクは「ON」にしてもらったほうが良いのか?

もちろん、「カメラをON」、「マイクで話す」にした方が良い時もあります。

それは、以下の様な場合です。

・企業の社員研修

・既に関係性が出来ているグループでの研修

・やる気満々でONにしたい人がいる研修

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そもそも、講師や主催者として以下の様な思いがあります。

・受講者の反応を見たい

・反応が無いとやりづらい

・受講者にサボって欲しくない

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これは、研修の開催の主旨や状況によって判断したほうが良いと思います。

ただ、私たちは「強制よりも受講者に選択権をゆだねる!」という方針をとっています。

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詳しくは、以下のブログで解説していますので、ご参照ください。

「オンライン時のカメラのオン・オフについて考える~講師側の都合と受講者側の言い分」

受講者の心理的な抵抗を考慮して徐々に!

そこで、オンライン研修の特性に考慮した進め方をお伝えします。

 

●本編の内容に入る前から

具体的には、以下の様なことを行う導入・ガイダンスの時点から行います。

・オープニング

・講師の紹介

・連絡事項

・アイスブレイク

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●外的な内容から

答えてもらう、考えてもらう内容は、受講者にとって外的なものから始めます。

例えば、

講師・主催者のこと

或いは、天気、場所、テーマに関するものなど

です。

 

そして、徐々に受講者にとって内的な内容のものに移っていくのが良いでしょう。

例えば、

受講者の意見、考え、アイディア、疑問点など

或いは、受講者の職業、悩みや問題など

です。

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●クローズドな質問から

受講者にとってこたえやすい「YES-NO」や「選択肢」から選べるクローズな質問から始めます。

そして、徐々に、受講者が自身の考えや思いを自由に発言できるようなオープンな質問に移っていくのが良いでしょう。

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ここまでのことは、オンライン研修に限らず、対面であるリアル研修でも同様に講師が配慮したほうが良いことでしょう。

それは、オンライン、リアル共に、受講者には何かしら緊張や不安などを抱えているからです。

 

 

●情報・抵抗の少ない機能から

使う機能としては、情報・抵抗の少ないものから始めます。

具体的には、「リアクション機能」や「投票機能」です。

これらは、選択肢から選ぶ点において、抵抗が少ないものだからです。

 

そして、次に自由に文字入力が行える「チャット機能」と徐々に、その自由度を高めます。

更には、受講者自身が映り、自由に話ができる「マイク&カメラ」機能のON。

それらを利用した「ブレイクアウトルーム機能」と移っていくのが良いでしょう。

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実際に、私たちが行ったオンライン研修では、以下の様に行いました。

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まとめ

それでは、今回のまとめです。

●オンライン研修の受講者は、カメラ・マイクのONに抵抗感がある

●オンラインの機能を使う時は、受講者の心理的な抵抗を配慮して活用する

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川辺 晶弘

▼所属:株式会社チーム医療ラーニングS / 株式会社チーム医療ラーニング

▼資格:公認心理師 / 産業カウンセラー / ICC認定国際コーチ / ICNLP認定NLPトレーナー

▼略歴:1996年より、IT関連会社にて、法人業務支援ソフトウエアの導入・指導・営業業務など、社内において新入社員や部下の教育・指導・相談業務などを行う。2007年より、教育研修会社にて、働く人のメンタルヘルス支援業務、心理療法・コミュニケーション分野の研修の企画・開催、教材の制作業務などを行う。その間、国内外の一流心理療法家の技能と研修ノウハウを学び、現在に至る。

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