マッチするのはこれ! 研修の「実施方法」と「内容」の相性は? その6-リアル研修・番外編
研修の実施方法は、大きく分けて3つあります。
「リアル研修」「オンライン研修」「オンライン動画」です。
そして、各実施方法ごとにメリットとデメリットがあります。
あなたが講師や主催者で、提供したい研修内容が決まっているなら、相性がよい実施方法はどれでしょうか?
逆に、既に実施方法が決まっているなら、相性が良い研修内容はどれでしょうか?
そこで、今回は「マッチするのはこれ! 研修の「実施方法」と「内容」の相性は? その6-リアル研修・番外編」をご紹介します。
相性の良い実施方法と内容をマッチさせることで、質の良い研修を提供することができると思います。
■ 動画版
リアル研修は、研修の基本であり王道です。
そして、比較的、どの様な内容でもマッチする実施方法と言えるでしょう。
だからこそ、他の実施方法にできない内容を選ぶことが重要です。
そのため、「講義編」「実習①編」「実習②編」「番外編」の4回に分けてお伝えします。
今回は「番外編」です。
リアル研修の特徴の1つに、人間関係の構築や維持がしやすいことがあげられます。
そのうえで、以下のものがマッチしているとお伝えしました。
→マッチするのはこれ! 研修の「実施方法」と「内容」の相性は? その5-リアル研修・実習②編
そして、これらのもの以外にも、効果がある手法の1つを今回はお伝えします。
それは、研修中に、他の受講者に対して「良い点」と思ったことをメモに書いて、渡し合うという手法です。
例えば、他の受講者の言動の「良かったと思うこと」「役立ったこと」「嬉しかったこと」などについてです。
そして、そのメモに「フィッシュ(魚)」の絵も書きます。
これは「フィッシュ哲学」という考えの一部を取り入れたものです。
職場を活性化させ、従業員が活き活きと働くことを目的としたもの。
アメリカの西岸部の魚市場から生まれたマネジメント手法です。
その具体例の1つに「積極的に褒める」というものがあり、周りの人の良い点に目を向け、それ伝えるというものがあります。
その手法を研修に組み入れたものです。
当然、もらった人は嬉しい。
そして、渡す人も他の受講者への関心が増し、良い所探しをする良い習慣にもなります。
講師は、この手法を研修の最初に受講者に伝え、それを活性化させることができると良い効果が出るでしょう。
本来、研修は知識やスキルの習得、そして、それらを通じて、成長を求めて行うものです。
そのためにも、自身が属するグループや場に対する安心・安全感をもち、講師や他の受講者と良い関係性でいることは重要なことです。
その様な環境があってこそ、切磋琢磨でき、協力しあえ、学びや成長もより促進します。
それは「グループアプローチ(集団療法)がもたらす11の治療的因子」というもの。
これは、グループに属する人がグループからどんな効果(治療的因子)を得られるか?をまとめたものです。
「集団精神療法」の理論的基礎を築いた一人であるアメリカの精神科医ヤーロムが唱えました。
もちろん、集団療法と研修の目的は違います。
しかし、グループで学びや成長を望むことは大きく重なっている部分と言えるでしょう。
実際に、上記で紹介した実習・実技において、これらの因子が含まれているものが多くあります。
そのため、グループで行う長期研修を行う際に、どんな内容や実習を行うか?を検討するうえで参考になります。
以下がその11の因子です。
*表現をわかりやすくするためにアレンジしてあります。
"今後に向けて希望が持てるような場を得ることができる。"
また、メンバーの成長を目にすることで、自分の問題解決などにも希望がもてる。
色々なメンバーと接することで、自分だけが悩んでいるのではないという感覚を持てる。
「自分だけではないんだ・・・」という安心感が得られる。
メンバーから役立つ情報を得ることができる。情報共有ができる。
自分の言動がメンバーに役立ち、喜ばれることで、自分は必要な存在だと感じることができる。
受け入れがたい感情を、実際の家族とは違う許容的なグループに受け入れてもらうことで、
過去に隠されていた別の感情に気づくことができる。
メンバーとの共同作業を通じて、現実の組織や家族などと同じような役割、問題、
パターン等が起き、それらに気づくことで対応ができる。
メンバーの言動を見て、「良いやり方だ!」と参考にすることができる。
そして、そのやり方を真似することもできる。
グループ内のコミュニケーションが健全に機能することで、安全な対人関係の体験・学習ができる。
一体感の強いグループにおいて、コミュニケーションが活発化し、
互いに強い影響を与えあうことができる。
自分の感情を語り、メンバーに受け入れられることで、心が癒される。
また、自分自身を受け入れていくことができる。
別れ、孤独、病気、死など、避けて通ることができない現実を、メンバーと探索することで、
あるがままに現実を受け入れていくことができる。
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川辺 晶弘
▼所属:株式会社チーム医療ラーニングS / 株式会社チーム医療ラーニング
▼資格:公認心理師 / 産業カウンセラー / ICC認定国際コーチ / ICNLP認定NLPトレーナー
▼略歴:1996年より、IT関連会社にて、法人業務支援ソフトウエアの導入・指導・営業業務など、社内において新入社員や部下の教育・指導・相談業務などを行う。2007年より、教育研修会社にて、働く人のメンタルヘルス支援業務、心理療法・コミュニケーション分野の研修の企画・開催、教材の制作業務などを行う。その間、国内外の一流心理療法家の技能と研修ノウハウを学び、現在に至る。